あの木まで〜④

ビニャーレス泊 翌朝
地図もないまま 周辺を散歩しました


こっちいってみよう〜
あっちになんかあるかもよ〜


ちょっとした住宅街をぬけると
木々と 赤土の道の先に まあるいお山がひろがっていくのでした




わかれ道で なんとなく右をえらび
馬とすれ違い
牛車とすれ違い
鶏に避けられ
馬糞をよけながら


遠く丘の上に一本の大きな木が ぽつんとありました
よし あそこまで行ってみよう
今日は午後のバスで帰らなければ行けないので
イムリミットがありました

丘の上の一本の大木
その木の根元にはキリストさんがいらっしゃったのでした
ずっと
いつの時代からか この丘の上からこの地を見守ってらっしゃるキリストさん
そしてこの巨木
幹をなでながら よっ と挨拶しました


なんの地図も知識もないまま
ここまでたどりつけた偶然を
とても幸せに思いました


まだまだこの地を この続く道の先を
気のすむまで歩いていたかったのですが
そうもいかず
ちょっとばかし 心残りのまま
このビニャーレスをあとにしたのでした