物語のひとつ

カヤの木
硬くて耐久性も高く よく碁盤に使われている材
だけど成長が遅く 数も少なく 
国産のものはまず一般には流通していないという


旦那の家族が常宿にしている群馬の民宿
そのおっちゃんがある夜 お酒で顔を赤くしながらこう言った
「おさむくんが そういう家建てるなら いい木があるから持ってけよ」


おっちゃんの倉庫にかれこれ20年近く 
埃やいろんな道具に埋もれてねむっていたのが このカヤの木


なんかおもしろそうだから〜 という理由だけで
この木を我が家の大黒柱にすることにした



暮れに 旦那はハイエースにその大木を積んで持って帰ってきた
長くてながくて 荷台から運転席までニョキっと 飛び出ていたらしい


そして先日 2回目の柿渋隊のときにこのカヤの木も磨いた


ぞうきんで ひたすら ゴシゴシゴシ


そうやって必死で磨いていると
単純なもので 手のひらを通してこの木への愛を感じ
このカヤくんが 可愛く思えた
意外と木肌はつるつる なめらかだった


もうずいぶんと前に切られていたカヤくん
この為に ずっと待っていたくれたんだね


これからこれから
我が家の一員 
どうぞよろしくたのんます